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AI(人工知能)と経営問題

AIを活用した物体認識と通行人カウント

 画像に写っている人物はプライバシー保護のため白抜き加工されており、AIは路上を歩く歩行者の数をカウントしています。機械学習により、人物だけでなく、車や自転車など様々な物体も認識可能です。AIを活用し、年齢や性別を自動判別し、24時間365日、人の数をカウントすることで、AI時代の貴重な市場情報として活用できる可能性があります。

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 例えば、この技術を店舗に導入すれば、年間を通して通行人員を自動でカウントできます。天候や通行人員、過去の売上データなどを分析することで、将来の売上を高精度に予測します。こうしたAIによる高精度な予測は、店舗の人員配置や仕入れ量の最適化、食品ロスなどのSDGs課題への対応、廃棄・焼却に伴う温室効果ガス排出量の削減などに貢献します。

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ビジネスDX

 現在、世界中でDXが推進されており、AIやIoTといったデジタル技術が中心的な役割を担っています。私たちは企業との共同研究を行い、経営者の視点から実社会​​の課題を学び、企業価値向上と課題解決のためのAIプログラミングを行っています。
一般的な企業では、必要な製品の見積もりを取り、稟議書を提出し、社内承認を得て発注します。商品が納品されると加工を行い、翌月に請求書が届き、銀行振込で代金を支払います。どの請求書がどの発注書に対応しているかを手作業で確認し、煩雑な作業を行うのは非常に時間と手間がかかります。さらに、人為的ミスのリスクもあります。
 これらを全てデジタル化することで、最終確認には人手が必要ですが、その他のプロセスはすべて自動化できます。これにより、少子化や労働力不足といった課題への対応、人件費やオフィス賃料などのコスト削減、そして収益性・生産性・品質の向上を同時に実現することが可能になります。

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AIによる犯罪未然防止

 各店舗には防犯カメラが設置されており、AIをこれらのシステムに組み込むことで、万引きなどの犯罪行為を自動検知することが可能です。図はAIによる画像認識を示しており、緑色の丸印は手、肘、肩などの位置を示しており、その座標をリアルタイムで計測できます。これらの座標を用いて動作解析とモデリングを行うことで、自動犯罪検知が可能になります。

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 人間の目による24時間365日カメラ映像の監視は容易ではありません。しかし、AIが異常を自動検知し、警告音を鳴らし、通知を送信することで、店舗管理者や警備センターの業務負荷を大幅に軽減・自動化できます。さらに、AIは犯罪発生時だけでなく、急な体調不良、しゃがみ込み、倒れるといった状況も検知できます。
 将来的には、道路、建物、駅構内の防犯カメラにAIを搭載し、医療支援が必要な緊急事態を検知したり、犯罪発生を未然に防いだりすることを目指しています。例えば、サイレンを鳴らして警戒を強めると同時に、警察や防災センターに通報するといったことが考えられます。AIを活用し、人命を守ることを目指しています。

自動ロボット倉庫の最適配置

 例えば、以下の画像は、自動ロボット倉庫の最適配置問題を扱ったシミュレーションを示しています。データサイエンスとAIを活用することで、過去の大量の在庫に関するビッグデータに基づいて、最適な配置を見つけることができます。.

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営業所や物流センターの最適配置問題

 物流・サプライチェーンマネジメント(SCM)の分野において、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いた物流センターと営業所の最適配置問題になります。次の図は、実際の地域における物流センターの最適配置問題をGAで解いた例です。左側は、最初はランダムに営業所を設定した状態です。GAでは、各営業所と物流センターにおけるトン×キロ(荷物量×距離)が世代交代を繰り返し、最小となる組み合わせを探索します。そして、最終的に得られる最適配置結果は右の図のようになります。

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AIによるコンクリートのひび割れ自動検出

 これはAIがコンクリート画像を解析し、ひび割れの有無を自動で判断した結果の例です。高所や危険な場所での作業は、ロボットによる自動作業に置き換えられます。また、人間の目でしか診断出来なかったびびの評価も、AIが機械学習によって自動で判断できるようになります。下の図はコンクリート画像の例です。Normalはひび割れのない正常な画像、Abnormalはひび割れがある画像です。また、括弧内はCNNと呼ばれる機械学習モデルを用いてAIが判定した結果です。そして、数字はその可能性の割合を示しています。

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AIによる発電量の予測

太陽光発電の発電量をAIで予測する研究を行っています。統計的手法に加え、地上から見た雲の画像や照度計の情報をもとに、AIで照度を予測する研究も行っています。

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Object Recognition/Segmentation

 下の図の左上が入力画像です。右側ではインスタンスセグメンテーションというAI技術を用いて、認識した人物を四角い枠で示し、形状に合わせて塗りつぶしています。左下は、枠などの表示を取り除き、同様の方法で塗りつぶしのみを行った結果です。そして右下はパノプティックセグメンテーションを用いて全てのピクセル(画素)を分類した結果で、天井や壁、道路なども識別しています。人が立ち入るべきではない場所の24時間監視システムなどに応用できます。また、この技術は自動運転や医療画像解析、品質検査などにも応用でき、従来は人が目視で行っていた作業を自動化することが可能です。

AIによるベテランと同様の錆評価

 設備管理やリスクマネジメントにおいて錆の評価は極めて重要であり、これまでは熟練技術者による目視検査が行われてきました。しかし、定年退職の問題などにより、熟練技術者から若手技術者への技術伝承が間に合わず、過去の膨大な評価結果や写真を機械学習によって、AIによる自動評価が可能になった共同研究の例です。

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 この写真は左の写真を元に作成したもので、評価したい部分は金属製の取り付け装置のみです。右の画像はGrad-CAMを用いて、AIが見ていた場所を赤色で表示しています。背後のコンクリート壁や他の装置など、関係のない部分も多数ありますが、AIが評価において金属製の装置のみを参照していることが確認できます。

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The above figure is a mixture matrix of evaluation results using CNN and ResNET, and shows that the new model has improved AI recognition accuracy.

References

・Nameki,Toyotani,Yano et al., Interpretability and performance improvement of metal corrosion/damage detection AI model using decision tree and Grad-CAM, AI/Data Science Papers 5(3), p.303-315, November 2024
・Nameki,Toyotani et al., Comparative study of CNN and ResNet models in corrosion/damage classification of tunnel lighting fixtures, Japan Society of Directory, Association organization magazine , Vo.22, p.34-44, March 2024
・A Study on Consolidated Optimal Stock Locations for lmport and Export Freight Flows in Thailand, Sarinya Sala-ngam, Yataka Karasawa, Jun Toyotani et al., International Journal of Logistics and SCM systems, Vol.9, p.71,2016
・Toward Sustainable Operations of Supply Chain and Logistics Systems, Sala-ngam, Suzuki, Toyotani et.al., Springer, p.207, 2015
・A Case of Intermediate Treatment Facilities in Chiba Japan, Sala-ngam, Suzuki, Toyotani et.al., ICLS, Proc. The 10th Intrnational Congress on Logistics and SCM Systems(ICLS), TA21, 2015
・A Basic Research on SCM Strategy Formulation Model, Chen, Wakabayashi, Toyotani et.al.,ICLS, Proc. The 10th Intrnational Congress on Logistics and SCM Systems(ICLS), TA23, 2015
・A Case Study of the Optimization of the Location Problem and the Delivery Vehicle Routing Problem for Post Office Center in Bangkok, Sala-ngam, Toyotani et.al., ICLS, Proc. The 10th Intrnational Congress on Logistics and SCM Systems(ICLS), 2015
・Logistics Operations, Supply Chain Management and Sustainability, Sala-ngam, Suzuki, Toyotani et.al., Springer, p.525, 2014
・Optimum Position in Office of Delivering Using Guide API,Toyotani et.al.,JOURNAL OF THE JAPAN SOCIETY OF LOGISTICS SYSTEMS,11/ 1, p.91, 2011 etc.