シミュレーションによる最適設計
 私達の身の周りの空気等の流れや自然現象は、質量保存則、運動量保存則、エネルギー保存則等の数理モデル(偏微分方程式)でモデル化することができます。そして、このような複雑な現象をコンピュータで数値シミュレーションを行って解析し、企業経営に応用させる事が出来ます
 例えば音楽の鍵盤打楽器などを、一つ一つ大きさや形状を変えて作りながら、チューニングをしながら楽器を作り上げる作業は、時間もコストも労力も掛かります。そこでコンピュータを利用して音響解析を行う事で、実機を作る前に音階や周波数特性などが分かります。そしてさらに操作性、デザイン性など、音響工学以外の様々な視点から最適な製品の設計を行う事が出来ます。
acoustic analysis
 次の例は音響解析に応用可能な、音の空中伝搬の数値シミュレーション結果です。ここでは音の強さ(音圧)を高さとして可視化して、どのように音が、空気中を伝わって行くのかが示されています。目では見ることの困難な音が、広がりと共に減衰し、音速のスピードで伝搬する現象を確認することが出来ます。
 この計算例は向って右側と後方にコンクリートのような音が反射する剛壁を設定して、前方と左側は空間が続いており、反射無しの設定にしています。音が2つの壁面で反射することによって、複雑に干渉している現象を確認する事が出来ます。
 このシミュレーション技術は、様々な問題に応用する事が出来ます。例えばこの大きさの部屋にはどのくらいの性能を持った装置で、どのくらいの風量で冷房を動かすのが経済的なのでしょう。部屋の縦や横の大きさや冷房の吹き出し温度や、風量を変えると、現象は変わります。実際の部屋で吸気口や排気口の場所をいろいろと変えることは、費用も掛かり、大変困難な事ですが、数値シミュレーションならば簡単に何度でも変えて行なう事ができます。 これを発展させて換気装置の最適配置や換気風量の最適化によって、イニシャルコストの削減や、運用コストの削減など経営側の問題に応用することが出来ます。
 この例は熱い屋内に冷房が吹き込む時の温度分布(アニメーション)で、その下は、空気の流れを可視化するために、パーティクルを飛ばしたベクトル図です。この例では吸気口が右上にあり、排気口が左上にあります。この計算結果は、それぞれの図の下の三角形の再生ボタンをクリックするとアニメーションが再生されます。
参考文献
・有限要素法による青銅製ガムラン用鍵盤の 3 次元固有値解析その 4 音板を削ることによる固有値の変化,原澤,塩川,豊谷,日本音響学会2017年度秋季研究発表会, 1-9-1, 2017年9月
・パルス音源を用いたダクト開口端反射減衰の3次元音響解析-断面形状のアスペクト比の違いによる比較検討-,矢作,塩川,豊谷,日本音響学会2016年度秋季研究発表会,2-10-4,2016年9月
Hyperbolic-typeWeighting Functions,K. Kakuda, Y. Hayashi and J. Toyotani, CMES: Computer Modeling in Engineering & Sciences , 103/ 4, pp.215-227, 2014年
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・Fluid Flow Simulation Using Particle Method and Its Physics-based Computer Graphics, Kazuhiko Kakuda/Shunsuke Obara/Jun Toyotani/Mitsuhiko Meguro/Masakazu Furuichi, Computer Modeling in Engineering & Sciences, 88/ 1, pp.17-28, 2012年
・Flow Simulations in a Liquid Ring Pump Using a Particle Method, K.Kakuda,Y.Ushiyama,S.Obara,J.Toyotani,S.Matsuda,H.Tanaka,K.Katagiri, Computer Modeling in Engineering & Sciences 66/3, pp.215-226, 2010年 他
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